三重県伊勢市で振袖・振袖レンタルを扱っておりますおく宗です。桜文様の着物について。

三重県伊勢市で振袖・振袖レンタルを扱っておりますおく宗です。まだ2月だというのに、ここ最近暖かい日が続いたので、すっかり気分は春になってしまい、桜が咲くのが本当に待ち遠しい今日この頃です。今日は、この桜文様について綴っていきたいと思います。よく聞かれるのは、桜の文様のお着物は、春にしか着れないのですか?というご質問をよく聞かれますが、一般的には、春以外もお召になられても大丈夫です。マナーの本などにも、写実的な桜ではなく、枝葉のない桜、図案化されている桜の文様は、通年お召いただけますと書かれているようです。また、桜だけでなく、例えば、桜楓文と言って、桜と楓が一緒に描かれている物などは、全く心配なく季節を問わない文様です。おめでたい席に「桜茶」を飲むように、桜はおめでたい席にふさわしい物として、華やかな印象があります。そして、寒い冬を耐え抜き、暖かい春見事に咲き誇り、また、散り際も見事なその様は、日本人にとっては、特別に思い入れのあるお花ではないでしょうか。それでいて、可憐なピンクのその小さい花は、主張する事なく健気で可愛らしい印象があります。そんな思いや印象もあってか、桜の文様の着物はたくさん作られています。特に振袖には、桜の文様がたくさん使われているように思います。ただ、ご注意いただきたいのは、お茶席での使用です。やはり、お茶席では季節感をとても大事にされますので、桜文様の使用時期は限られます。季節の先取りとなりますので、だいたい2月初めから桜が咲くまでとなるようです。
先日から桜文様の記事を書こうと思っていたら、ふと中学校の教科書に載っていた「大岡 信」さんのエッセイを思い出しました。桜の話だったなとなんとなく薄ぼんやりと記憶していたのですが、もう一度読んでみたいと思い、検索したらすぐに出てきました。今は便利ですね。笑。「言葉の力」というエッセイです。大岡さんが、志村ふくみさんという着物の染織家の方にインタビューしたとき時のお話です。今となっては、呉服業界に携わって志村ふくみさんのことも存じ上げているため(こちらが一歩的に存じ上げてるだけですが)、急にそのエッセイに親近感を感じてしまいました。志村さんが桜から染めた着物をお召しになられており、大岡さんは、桜から染めたと聞いて、花びらから染めたのかなと思ったそうですが、花びらではなく、開花直前の桜の木の皮から美しいピンクが染まると聞いて驚かれていました。思えば、桜は一年をかけて一日も休むことなく桜の木全体で、ピンクになろうとし、春のほんの一瞬私たちは、花びらのピンクを目にするだけなんですね。そのことを大岡さんは、私たちの言葉にもあてはめていらっしゃいました。私たちの発する言葉の一語一語は、桜の花びらの一枚一枚だと。同じ言葉でも発する人によって全く違う物になる、その発した人の世界をいやおうなしに背負ってしまうと。ちょっとドキッとしました。確かにこうやって、ブログで発信することもそうですが、どうしても自分のいままでの知識や経験から発してしまいますが、きちんと責任をもって発信しないといけないなと思いました。日々の勉強と経験からくる言葉の重みとは切っても切れないものだと痛感いたしました。やはり、桜の花は日本人にとって何かしら心に響く花なのかなと思います。

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