三重県伊勢市で振袖・振袖レンタルを扱っておりますおく宗です。振袖への想いについて。

三重県伊勢市で、着物及び振袖・振袖レンタルを扱っておりますおく宗です。
先日、別々にこられたお客様(お母様)が、振袖について語っておられたエピソードと想いがとても良く似ておられて、印象に残りましたので、そのお話を綴っていきたいと思います。
そのお母様方が成人式のころのお話なので、もうかれこれ二十数年前のお話かと思います。当時、親御さんから振袖を誂えようとお話があったそうですが、その当時、世間では、毛皮のコートが流行っていたそうで、振袖よりも毛皮のコートが欲しいという事で、振袖ではなく毛皮のコートを買ってもらったそうです。そして、成人式にそのコートを着て出席されたそうですが、まわりの友達が、みな晴れやかな振袖を着ていることに圧倒されてしまい、成人式に振袖を着なかったことに後悔の念が湧いてきてしまったそうです。その後、自分に娘が生まれたら、絶対に成人式には振袖を着せたいとの想いを強く持たれていたそうで、満を持して、振袖を選びにいらっしゃいました。
やはり、振袖及び着物という物には、日本人にとって何か特別な物があるのでしょう。特に振袖は、晴れ着ですから、普段とは違うハレの日に纏うことで、特別な嬉しさや、大人になったという責任感、日本人としてのアイデンティティーなど言葉にはならずとも、普段感じる事の出来ない様々な想いを、振袖を着る事で感じることができるのでしょう。毛皮のコートももちろん特別な嬉しさは感じられるでしょうが、日本人としての何かや、二十歳らしい華やかさは、感じられなかったのかもしれません。その後、母親となられて、二十年間、同性のお嬢様には、ぜひ振袖を着る事の喜びを味あわせてあげたいというお母様としての想いがとても伝わり、感銘を受けました。
伊勢神宮の式年遷宮が二十年に一度であるのは、建築や、ご装束神宝などの技術を次世代に伝えるためという説があります。それと同じように、成人式というのは、子供が大人の仲間入りをして、時代を繋いでいく儀式でもあるのかなと思います。特にお母様としては、心血を注いで大事にそだててこられたお嬢様はある意味自分の分身でもあります。普段は、子供の成長など意識することがなくても、成人式で振袖姿を目にすると、「こんなに綺麗に立派に成長して」と改めて、育てあげた安堵と誇りで嬉しくなります。そういう意味では、振袖を着ることは、親孝行の意味もあるのだなと思います。成人式の振袖、改めて、それぞれに、ドラマがあるのだなと思います。

白地レトロ柄振袖
白地レトロ柄振袖

おく宗
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