三重県伊勢市で振袖・振袖レンタルを扱うおく宗です。振袖のおめでたい文様について(植物以外)。

三重県伊勢市で振袖・振袖レンタル・振袖小物・呉服全般を扱っておりますおく宗です。
前回は、振袖及び着物の季節の文様(主に植物)について書かせていただきましたが、今日は植物以外のおめでたい文様について綴っていきたいと思います。
まず、おめでたいといってよく目にするのは、『鶴』の文様です。ご存じのように延命長寿の象徴として古くは平安時代から尊ばれています。鶴の飛ぶ様子を図案化した「飛鶴」という文様も振袖や留袖などによく使われています。特に大正ロマンなどのアンティーク調の振袖(婚礼衣装をイメージしたもの)には、上前に大きな立派な鶴を配した柄付がみられます。とても重みのある文様で高級感が感じられます。この鶴と一緒に描かれる事が多いのが、『波』『流水』『雲』です。「波」は、幸せが波のように寄ってくるという吉祥文様です。ぐるりを海に囲まれた日本人には、古代より波は切っても切れない縁起物なのでしょう。「流水」は腐らないことや、いかようにも形が変えられる事、何事も洗い流す事ができるということでこれもまた縁起の良い文様となっています。観世水や光琳水といったような固有の名前が付いた流水文様もあります。「雲」も古代より神や霊が宿っていると考えられ、縁起の良い雲を「瑞雲」といって吉祥文様として使われています。『扇面』や『地紙』はその形のごとく末広がりで繁栄の意味があり、その図形単体で使われる事よりその形の中に四季の草花を配して、描かれることが多いです。また、『宝尽くし』は、言葉だけでもおめでたい感満載ですが、打ち出の小槌、体が隠れる隠れ蓑、隠れ笠、金貨を入れる金嚢、祇園社の護符の祇園守、金を計る分銅、思いのままになる如意宝珠、永遠をあらわす七宝和違いなど福徳を呼ぶ吉祥文様として、晴れ着である振袖・留袖・訪問着・初着・帯などに使われています。『正倉院文様』も振袖や留袖などの晴れ着によくみかけられます。ご存じのように正倉院とは、奈良の東大寺に献納された遺愛品を保存した宝庫です。その中に納められている各種工芸品や染織品に表された文様を「正倉院文様」といいます。中でも代表的な物が、「宝相華文」と言って想像上の花の文様でインドから唐をへて天平のころ、日本へ伝えられました。仏教でも装飾に用いられています。中東のあたりでもよくみられます。現在でも格調の高い柄として、留袖・振袖・袋帯に使われています。
このように、昔医療などが発達しておらず、世の中も今よりも不安定だったため、色々な想いを文様に込め、着る物に託したのではないでしょうか。

おく宗
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