三重県伊勢市で振袖・振袖レンタルならおく宗。加賀友禅とは?
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さて、着物は様々な技法によって製作されますが、そのなかでも主だったものを何回かに分けてご紹介してまいります。
まずは、着物は、大きく分けますと、白生地に手描きや型を置いて染めていく『染物』と、先に糸を染めてから生地を織っていく『織物』とに分けることができます。
いわゆる着物というと『染物』を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。成人式(二十歳のつどい)にお召しになる振袖をはじめ、留袖、訪問着、色無地、小紋などは、染めたお着物たちです。『織物』は、いわゆる紬やお召し、木綿、そして帯がそれにあたります。有名なところで、大島紬、結城紬、博多織、西陣織などは、織物の代表的なものです。
着物において、染物と織物では、染物の方が格が高いとされ、帯においては、織物のほうが格が高いとされています。そのため、冠婚葬祭には、染物の着物に織物の帯を着けるのが一般的とされています。紬などは、希少価値もありお値段が張るものもありますが、いわゆる普段着で、カジュアルな位置づけになりますので、冠婚葬祭には、不向きということになります。時代も変わり、結婚式などもカジュアルにされる場合もありますので、一概にはいえませんが、ここでは、基本的なお話をしていきたいと思います。
さて、前回は染物の代表的な『京友禅』についてご紹介をしてまいりましたが、今回は『加賀友禅』をご紹介していきたいと思います。
京友禅は、その名の通り京都で製作される友禅の着物です。対して石川県の加賀地方(金沢市)で製作される友禅の着物を『加賀友禅』と称します。色に特徴があり、「加賀五彩」といわれる藍、黄土、臙脂(えんじ)、緑、墨(紫)の五色を基調色としています。
模様の外側から濃い色を内側へ向かって薄い色にしていく先ぼかしと、木の葉などのモチーフに敢えて墨色で虫食いを描いていく独特な表現技法も特徴的です。京友禅は、たくさんの職人さんが分業で作業を行い一枚の着物を完成させますが、加賀友禅は基本的に一人の作家さんが全ての工程をこなして製作します。そのため、本加賀友禅の着物には、下前の衽に(おくみ)に作家さんの落款が付いており、誰の作品かわかるようになっています。加賀友禅会館さんのホームページには、登録されている作家さんの落款を調べることができます。
写実的な柄が多かった加賀友禅ですが、最近では女流作家さんも多くおられ、モダンなデザインや優しい色合いで新しい配色の着物も増えてきています。
手描き友禅の技法は、京友禅とほぼ同じですので、ここでは割愛させていただきます。
また、京友禅には使用されていた金銀箔や刺繍はほとんど施さないのも特徴です。金沢と言えば金箔が有名なので、ちょっと不思議な気もしますが、これは、金沢が加賀百万石と言われる前田藩によって治められた城下町であるため、武家文化の強いことが影響していると思われます。雅できらびやかな京友禅に比べると、染めだけで表現される加賀友禅は、質実剛健な印象ですね。
同じ友禅でもこのように特徴が違うのは、興味深いですね。今後、お着物を選ばれる際の参考になればと思います。あなたはどちらの友禅がお好きですか?
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